今思うと、私は問題児だったのだろう。
爪は噛むし、鉛筆も消しゴムも、なんと砂の味まで知っている。
窓ガラスの露の味も知っているし、硬くなった指先の皮の味まで知っている。
もちろん、石ころの味なんて、当然知っている。髪の毛の味まで知っている。
針金の味、銀紙の味、折り紙の味。
ゴムの味。チーちゃん人形の指の味。
美味しいなとおもったのが、セロテープ。
新聞紙の味も知っているし、コピー用紙の味も懐かしい。
なんでもかんでも口に入れて、まず舐めていた。
舐めてから、噛んでみる。
噛んでから、考える。
柔らかくなるだろうか?
味が変わるだろうか?
懐かしい味。それは、ひとりぼっちの味。
私だけの味の世界。
涙の味。