昨夜は熱帯夜だった。暑くて熱くて、どうしても目が覚めてしまう。もちろん、その理由はわかりきったことだった。私の掛け布団は、冬も春も夏も秋も、同じ羽毛ぶとんなのだ。
羽毛ぶとんは、夏は涼しく、冬は暖かい。そんな宣伝文句を真に受けているわけでもないが、なんとなく、がまんできる程度に我慢して羽毛ぶとんを掛けている。ところが、昨夜は暑すぎた。寝れない。ウトウトしても目が覚めてしまう。だが、掛け布団を掛けずに寝るのは、不慣れなのでどうしても掛けて寝たいのだ。
そこで、深夜、熟慮の末、エアコンに頑張ってもらった。キンキンに部屋を冷やしてから、掛け布団にくるまって、ぐっすりと朝まで眠った。そうそう、冬はこんな感じ!いいなぁ、布団は暖かいなぁと、エアコンで冷えきった部屋の中、羽毛ぶとんに感謝しながら眠って、起きた。
朝、へんな咳が聞こえてきた。鼻をグシュグシュ鳴らしながら、ゼイゼイゲホゲホしている気配がした。ああ、私の愛すべきデブ犬だ。デブ犬は毛深いから暑いだろうと、何の配慮もせずに、パワー冷房の風に当ててしまったのだが、やはり、自毛は弱いのか?
今夜は仕方がないので、タオルケットをようやく押入れから出して、寝ることにする。恨めしそうなデブ犬の充血した目に、謝罪しながら。