いつかきっとがもう間近

ありのままの生活と夢の中

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「ぐるりのこと。」をみた感想ひとこと。

 

ぐるりのこと。

ぐるりのこと。

 

 タイトルに、句点「。」をうつとは、どういう意味があるのだろうかと、この映画が話題になっている時から不審に思っていました。しかも、名詞止めなのに「。」ということで、誰かが自分のぐるりのことを語っているのだろうとは、予想できていました。ですが、「ぐるり」を周囲のことだとは思わず、ぐるりという名の犬かネコかの話だと予想していたので、かわった名前をつける飼い主の偏屈な話なのだろうと敬遠していました。

 

それなのに何故みたかというと、評価の星が沢山ついていたからです。こんなに大勢の人々が良い印象を持っているのだから、犬やネコの話は苦手だけどみてみようかと思った次第です。はい。とても含蓄のある映画でした。

 

夫婦、赤ちゃん、家族、親戚、靴修理屋、出版社、玉美、法廷画家、絵画教室、転居、不動産、兄妹、時代、事件、夜逃げ、産婦人科、台風、心療内科、寺、写真、画材、日本画集、天井画。他にも漏れているでしょうが、こういったものが重なりあって一つ一つ、または一人一人は不完全なものだけど、ぐるりと総ざらいすれば調和していくのだねという物語でした。

 

印象に残ったところは、リリー・フランキーさん演じるカナオに、木村多江さん演じる翔子が子どもを亡くして「死んで悲しかった?」と尋ねてからの流れです。

カナオはため息を深く吐き「残念やったと思っとるよ」と言います。

翔子「残念?」「わたしが死んだら泣く?」「残念?」

カナオ「泣いたら、いい人なんかなぁ、ーー」

 

ここからのくだりで、いつものらりくらりと究極的な場面をはぐらかして飄々と生きているように見えていたカナオが、実は翔子と同じように一つ一つを丁寧に感じて、考えながら生きている人だということがわかりました。カナオは翔子の剣幕にも気圧されずに、面倒くさがらずに、自分の感じ方を卑下することも高慢になることもなく自然に表現できる人でした。そういう関係を築ける人達でした。ここが羨ましかったです。

 

通り一遍サラッと、トゲを回避しながら会話する癖がついている私の薄っぺらい人間関係に比べると、カナオと翔子の関係は別次元でした。★5つ。

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