迂闊、拙速、屈託などが私の欠点だ。立ち止まって考えてみれば答えが見えていることでも、ぼうっと見ながら通り過ぎて間違えた答えをだしてしまう迂闊さは、性格なのか直らない。
おまけに何をしても遅い、鈍重だという自覚があるので、いつも急いでいる。急ぐとようやく人並みになるという深層心理があるのだろう。だから、拙速さも直らない。「おいおい、待てよ。考えてみろよ」と後になってわかるのだ。
そんな劣等感があるゆえに、屈託がある。迂闊と拙速の副産物が屈託だというしかない。そんなつまらないことを思っているとき、まったく関係ない場所で格言を聞いた。
「どんなに遅くてもいいのですよ。ゆっくりでも同じ速さで正確に、それを何度繰り返し練習したかで、上達が決まるのです」
そうかな、とは思っていた。けれど、言葉にして聞いたことがなかったので、拙速さに流されていた。大切なことは、考えること。遅くても、正しいことを導き出すこと。やめないこと。繰り返すこと。