いつかきっとがもう間近

ありのままの生活と夢の中

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今は昔

今週のお題「お部屋自慢」

今は昔、子供部屋という自分の部屋はありました。それは「もう大きくなったのだから、一人部屋が欲しいだろう」という親のありがたい憶測から、あてがわれた部屋でした。

 

「女の子なら好きだろう」という、これまた親の憶測から、ゴブラン織りの新しいカーテンを買ってもらいました。そのゴブラン織りには、森か山奥かよくわからない景色を背負って、ポツンと一軒、小さな家が建っている模様がありました。

 

淋しい

 

夜、眠るとき、豆電球のあかりに浮き上がるカーテンの小さな家は、部屋の中にひとりきりで眠る恐怖を思い出させる効果しか与えてくれませんでした。小さな家の小さな窓からは、人の温もりは感じられませんでした。

 

夜は暗い、怖い、淋しい。

 

少し大人になって、自分で買った本棚、自分で買ったベッド、自分で買った机、自分で買ったエアコンを部屋に入れました。自分で買った自分の好きなものに囲まれて、少しずつ、居心地のよい部屋になりました。

 

それでも夜になると、豆電球のあかりはゴブラン織りのカーテンの模様をそっと照らしました。そして、ひとりは怖い、ひとりは淋しいと、いくつになっても、固く固く目を閉じて、朝が来るのを待ちました。

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