世間では目新しくもないのだろうが、iPhon5sが壊れたのでiPhone 8に替えた。早速、新し物好きの行動を起こしてみた。新しい物事は大好きなのだが、説明されて「ハイハイ」と理解できる許容範囲が、最近、狭くなりつつある。
だが、私の老後の理想は、なるべく人間を介さずに、コンピューターで生活が成立することなので、なんのこれしき!と頑張ってみた。たとえ心身ともに不健康になったとしても、生活の基盤は人の手を借りずに自分らしくありたい、という贅沢な老後生活を夢見ているので、新しい物事には敏感であり続けたいと思うのだ。遅れがちながら……。
1. コンビニの会計で、『Apple Pay』を使ってみた。
近所のファミリーマートに行き、『Apple Pay』を使うために買い物をした。まったくの本末転倒だから、買いたいものや必要なものが一つも浮かばなかった。迷った挙句、翌朝のパンと、目に付いたので意味もなく焼き鳥を買った。
何事も、勉強代は高くつくものだ。仕方がない。焼き鳥5本は串を外して、翌朝のウィンナー代わりとして、余った焼き鳥は、自分の昼のお弁当に添えてみることにする。
レジのお嬢さんに、「アップルペイでお願いします」と告げた。10代後半のお嬢さんは「はい」と笑顔で私の目を見て応え、焼き鳥を袋に入れ始めた。そして、「○○○円です」とニコッとされたので、もう一度「アップルペイでお願いします」と告げた。
2. iD(アイディー)とQUICPay(クイックペイ)?
「はい?」とレジのお嬢さんが首を傾げたのと同時に、私は余裕の笑顔でもう一度、告げた。「できませんか?」
余裕の笑顔とは書いたが、実は内心、動揺して困惑していた。ただ、慌てる素振りを見せない程度には、人生の修羅場はくぐってきている。何があっても一人、誰も助けてはくれない、堂々とあれ。
すぐに隣りのレジの男子学生らしきバイトさんが、スマートにレジのお嬢さんの横に寄り添った。そして「アイディーですか? クイックペイですか?」と言葉を発せられた。
3. Apple PayとQUICPayの関係?
「アイディーですか? クイックペイですか?」とスマートに聞かれて、一気に余裕がなくなった。わからない、なんの話をしているのだ? ただ、昨夜、『Apple Pay』の使用方法をWEBでサッと目を通した時に、『QUICPay』という活字を見たのを思い出した。
活字で見たので、「クイックペイ」という音源とすぐには繋がらなかったが、確かそんな感じの綴りだったな……と数秒後に認知して、違っててもいいや!という捨て身な気持ちで「ハイ、それで」と返事をした。
iPhone 8をカードリーダーにかざすと、携帯画面にID認証が出てきた。これまた、困惑しながらも、そういえば指紋認証にしていたよねと思い出し、ホームボタンに特定の指を押し付けた。すると、カードリーダーが緑色になって、携帯画面上のプリペイドカードの残高が減った、イコール、支払いが終わった。
4. モバイル決済からキャッシュレスへ
アップルペイでの支払いは、クイックペイだとわかった。けれど、何故、アイディーでは使えないのかが疑問として残った。
iD(アイディー)もQUICPay(クイックペイ)も基本的に、クレジットカードと紐つけられている。だから登録したクレジットカードがたまたまMastercardだからか、それともApple Payを通して電子マネーを使ったからなのかが、意味がわからなくてモヤモヤする。
きっと将来的にキャッシュレスが当たり前になって、小銭入れは幼児のお小遣い用にしか売れなくなるのだろう。時代に乗り遅れた人々は、買い物をするのにも一苦労になるのかもしれない。けれど、公共交通機関を日常的に使っているご老人の方が、実は交通系の電子マネーを使いこなしている人が多いので、取り残されるとしたら、ご老人ではなく、経験の少ない若者の方かもしれない。