『山口ゆめ花博』にドライブ
天候は不良、でも暇な休日に、『山口ゆめ花博』に行きました。場所は2001年(平成13年)に開催された『きらら博』と同じ場所の、山口県山口市阿知須でした。
『阿知須』って「あちす?」と言いたくなりますが、「あじす」です。開催期間は2018年9月14日から11月4日だそうで、よく考えるまでもなく、「え、もう行ってきたの?」と驚かれるほど開催早々、行きました。
山陽自動車道の山口南で降りてから、掲示板を見間違えて迷いに迷いました。田んぼと山しかない道に、かつがつ絶望しないでたどり着けたのは、カーナビ様のおかげではなく、携帯電話のグーグルマップ様のおかげでした。
広大な駐車場から入場して
あまりにも道すがら車の通行量が少ないので、本当に『山口ゆめ花博』は開催されているのか、もしくは道が合っているのか、不安でした。けれど、着いてみれば広大な駐車場を埋め尽くすほどの車の数で、凋みかけた期待が膨らみました。
入場料は大人1200円です。雨が降ったり止んだりの天気で、午前中から訪れていた家族連れの来客達は、ほうほうのていで帰途に急いでいました。まだ遊び足りない幼子たちはおんぶされたり抱っこされたりして、雨に濡れ、風に吹かれて寒そうでした。
まさか雨が降るとは思っていなかったので、仕方なく日傘をさして雨を凌ぎました。でも通り雨だったらしく、横殴りの雨で濡れた服も、その後ほどなく乾きました。
花の谷ゾーンを通り過ぎて
『花の谷ゾーン』はテレビの宣伝でよく見かけていた場所でした。沢山の花々が咲き乱れて、日本最大級の花壇だそうでした。いろんなお花が植えてありました。はい。確かに。きれいに仕分けされて植えてありました。
ただ、花の苗をポットから抜いて植えました的な、株が育っていない印象が全体的に漂っていて、花壇が寂しかったです。今年は異常気象で危険な暑さでしたから、花の管理がさぞや、たいへんだったのでしょう。秋から乞うご期待です。
下世話な話ですが、とりあえずトイレを探そうということになって、花を見るのもそこそこにして、真っ白い巨大きのこの形をした多目的ドームの中に入りました。思ったとおり、外のトイレよりも人が空いていました。
多目的ドームでは
その多目的ドームに、ずらりと人々の行列が出来ている入口がありました。「なんだろう?」と思いながらも、トイレを探していたので、行列を避けて人の少ない入口から入りましたが。
家に帰ってから調べてみると、『維新体験館』という目玉プロジェクトが開かれていたようです。まったく予備知識なく訪れるから、こんな間抜けなことになってしまうのですよね。
『維新体験館』は、明治150年プロジェクト「やまぐち未来維新」のイベントの一つで、江戸末期から明治維新を疑似体験できるような最新の映像を見ることができる、らしい……。現在、放映されているNHKの『西郷どん』と同じ時代背景なので、人気は推して知るべしであります。
海辺の巨大砂山を通り、森へ
海のすぐ側に、巨大な砂の山がありました。子ども達がたくさん登っていました。お父さん達が幼子と手をつないで、登っていました。高さ4メートルもあるそうです。とても楽しそうでした。スカートでなければ、そして誰もいなければ、私も登ってみたいな、と思いました。
砂山を左手に見ながら歩いていくと、小高い丘の上に、高さ30メートルの日本一高い木のブランコがそびえ立っていました。限定おひとり様の特別なブランコです。ブランコに乗っている子どもは、風を受けて気持ちよさそうでした。
その下側を歩いていると見えませんが、日本一高い木のブランコの後ろに、普通の高さの日本一長い木のブランコが設置してありました。
これ、いいアイデアですね。目玉の日本一高い木のブランコしかなかったとしたら、子ども達がおとなしく順番を待てるはずありません。泣く子、走る子、叱られる子で、日本一危険なブランコになっていたでしょう。それに70人も同時に乗れる木のブランコって、とても素敵です。
ブランコの次はコースター
日本一長い竹のコースターは、幼児からお年寄りまで楽しめる、恐怖感はなく爽快感のある乗り物でした。『コースター』とは、コップの敷物の呼び名のことでもありますが、急な起伏のあるレールの上を走る乗り物という意味もあります。
竹のコースターの見物客がカメラを片手に、頂上からゴール地点がワンカットで収まる位置で待っていました。しばらくして、頂きから木の箱に乗ったご家族が降りてきます。なんどもシャッターが切れるほどの速度で、注目を浴びていました。
レールが竹でなので、きっとコトコトと音を奏で、ご家族は音も楽しめたのではないかと思いました。ジェットコースターのように、乗っている人だけではなく見ている人にもスリルを与える類の物ではありません。フッと、思わず笑ってしまう類の乗り物です。
お腹が空いても行列は……
とっくに昼過ぎになっていたので、かなりお腹がすいていました。レストランは人だかりになっていて、かなり待ち時間がかかりそうでした。ピクニックサイトのズラリと並んだキッチンカーにも、山口のグルメを求めてたくさんの人が行列を作っていました。
「待てば海路の日和あり」は私の座右の銘ですが、日帰り旅行なので時間はありません。晴れていたら、お弁当を作ってくればいいねと言いながら、キッチンカーに並ぶ人達をよけて歩きました。
背丈の低いヒマワリの花が群生している場所で、記念写真を撮りました。花はいいですね、無心になれます。君はきれいだね、可愛いねと語っても、照れもしないし奢りもしない生き物の対象は、花だけかもしれません。犬でさえ、調子にのります。
庭のパビリオンゾーン
広大な会場の外回りをぐるりと歩きました。最後はさまざまなコンセプトで造られた庭が展示されていました。『造園の技と美の庭のエリア』『暮らしを彩る庭エリア』『未来提案の庭エリア』『お茶する庭エリア』『自治体出店の庭エリア』などの区画に分かれてありました。
どの庭も素晴らしくて「へえ~」「ふーん」とか感心しながら見て歩きましたが、それぞれに強烈な個性、いえコンセプトがあって、なかなか自然に気持ちが溶け込めるような庭には巡り会えませんでした。
けれども、ひとつだけ、気になった庭がありました。『暮らしを彩る庭エリア』の『くつろぎの空間』の庭に、惹かれました。パーテーションのような飾り棚が繊細でいて面白みがあり、飽きずに見続けられる気がしました。
少し残念だったこと
たくさんの種類の花を見ました。そして、花の名前がわからなくて、どこかに掲示されていないかと、キョロキョロ探しながら歩きました。見たこともない花を目にすると、名前が知りたくなります。
花のボランティアの人たちがたくさん、おられました。きっと、すぐに答えてくださるだろうな、とは思いましたが、耳で聞いただけでは脳に刻み込まれません。それに、散歩のように無防備に訪れたので、他人に質問までして、花の名前を知ろうというガッツはありません。会場に意図的に植えている花の名前は、小さくてもいいので、掲示してもらえたら、もっと楽しめたと思います。
今回は早足で会場を通り過ぎただけでしたが、ゆっくりと過ごせば1日、たっぷり充実した休日が過ごせるアイデアが満載にありました。足湯にも入りたかったし、お弁当も食べたかったし、ワラアートやハンモック広場にも気持ちを残しながらの退場でした。
『山口ゆめ花博』を退場して
会場を出て、また広大な駐車場に戻りました。アルファベットの大文字が、区画ごとに大きな白地の正方形に書かれてありました。それを目印に車を探します。駐車場整理の方々は、一生懸命、通り過ぎる車と人を接触させないように、頑張っておられました。
でも、平面の広大な駐車場では、駐車状況の全体を把握するのは無理があります。角度を変えて見ればガラ空きでも、前と横しか見えない交通整理では、大渋滞が発生してしまいます。期間限定の青空駐車場ならではの、課題です。
そんなところでこそ、ドローンが役に立ってくれるといいですね。上から俯瞰して、指示を出す神的なドローン様の到来をお待ちしております。できることなら、「どこに車を置いたか忘れてしまった」と焦っている気持ちを察して、「ここですよ!」と教えてくださるシステムの開発も、お願いしたいです。気持ちを察するのは、無理でしょうが……。