「大好きな天然石のネックレス、切れちゃってね。お姉さんから貰ったから、いいものに違いないのだけど」とガッカリしている母のために、ネックレスの修理をはじめました。
1. 工具や材料の購入
大きな手芸屋さんに行き、マイクロニッパー・ビーズ用ペンチ・糸代わりのワイヤー0.8mm・つぶし玉・つぶし玉カバー・マグネット留め具の6点 4000円弱を購入しました。ワイヤーの太さやつぶし玉の大きさは、すべて天然石の穴1mmに相応するものだと自己判断して決めました。
この自己判断というのが、素人の浅ましさなんですが、その失敗談はこの後で。素人というのは、すぐに早合点してしまうものなんですよね。なるほど、わかった、簡単じゃないの!と、通り一遍学習すれば、すべてをわかったつもりになって、大胆不敵に挑みます。軽佻浮薄この上なしの私のことですが。
2. 天然石の並べ方
まずバラバラになった天然石を形や色別に並べてみました。糸が切れていない箇所は、マイクロニッパーで切りました。このニッパー、切れ味がとても良いです。ワイヤーでも綿糸でも、心地よいほどスパン!と切れます。
われた天然石を除いて、まず一番大きな特徴のある石を中心にして、左右対称にバランスを見ながらネックレスの形にしていきました。私はこの工程が好きですね。
この石よりあの石の方が先に持ってきた方が美しいとか、この角度からみると汚い色に見えるから、この石は後ろに持っていこうとか、夢うつつのように頭の中だけで遊べます。さて、形は出来たので糸を通すだけです。
3. ネックレスの糸通し
この上の写真、ご覧になるとおわかりだと思いますが、はい。大失敗をやらかしました。元々、重めの天然石ネックレスで、太い綿糸2本で糸が通っていました。ですから細いワイヤーでは、きっと支えきれないだろうと考えて、0.8mmもの太いワイヤーに決めたのです。
手順は次の通りです。
- ネックレスの長さプラスα程度のワイヤーを用意する。つぶし玉カバー、つぶし玉の順番にワイヤーの端を通して、ペンチでつぶし玉をつぶして、ワイヤーが抜けないようにする。
- つぶし玉カバーでつぶし玉を隠す。マグネット留め具につぶし玉カバーのフックを引っ掛けて、外れないようにペンチでしっかりとまるめ込む。
- 逆のワイヤーの先端から、並べた順番通りに天然石を通す。全部通したら、つぶし玉・つぶし玉カバー・マグネット留め具を用いて、1. 2. と同じ工程をする。
これで出来上がりはしたものの、しなやかさが皆無で、美しくもなんともない上に、重いのです。ワイヤーの太さに問題ありでした。
4. ネックレスの糸かえアラタメ
ゴワゴワのネックレスのまま、母の元に持っていくのは気が引けます。それでまたしても、にわか勉強しました。フムフム、なるほど、ナイロンコートワイヤーなるものがあるようだと。
約0.36mmの径で、石に対して細すぎるような気もしましたが、なにせワイヤーが入っているのです。きっと、強靭に違いありません。ナイロンコートワイヤーには、つぶし玉も2玉、同梱されていました。糸の太さや材質によって、つぶし玉も違うのでしょうか。
2度目のネックレスの糸通しです。迷うことなく、スイスイと出来上がりました。しなやかで、強くて美しい仕上がりになりました。
5. 手直ししながら楽しみましょう


ネックレスやブレスレット、安物ですが少しだけは持っています。けれどメンテナンスもせずに抽斗にしまいこんでいるので、留め具が錆び付いたり、糸が切れていたりしているものがありました。
早速、母のネックレスと同じように、新しい糸とマグネット留め具に変えました。こんなふうに、気軽に自分で手直しできると、おしゃれの幅も広がります。
そして、自分でも修理する方法があるということを知ると、プロの修理の手法も知りたくなり、興味を抱いて人様のアクセサリーを見るようになりました。なんでも、やってみるものですね。めでたし、めでたし。