お昼ご飯に、スープジャーを持っていくことが増えている。汁物をお弁当に持っていくという発想は、現代的だ。昔なら、ありえない話だ。でも、慣れてくると、とてもいい。
昨夜の残りのビーフシチューや大量に余ったおでん、カレー、味噌汁、スープなどに、毎日、使っている。けれども、ひとつ、問題があった。スープジャーポーチという名のカバーが、とても値段が高いのだ。とても、買う気にはなれなかった。
だから大判のハンカチで、骨壷を包むように結んで、持っていくのだ。毎朝、「なんだかなあ」と人知れず後ろ暗い気分になっていた。
そこで、ある休日、一念発起してスープジャー巾着袋を作ることにしたのだ。ずいぶん前に、雑巾を縫ってから使っていないミシンを押入れから出して、新聞に挟んであったチラシに、適当に型紙を書いた。
小さいものを作るには、チラシはとても使い勝手がいい。垂直と平行がチラシを折るだけで、跡が付くのだから。
1. スープジャーの丸い底をその側面に沿うようにして、マジックでなぞる。マジックの柄は太いので、自ずとユトリの幅ができるのだ。
2. コンパスを使って円の中心を求めて、縫い代1cmの外円をコンパスでひく。
3. 直径から円周の長さを求めて、その半分の長さに縫い代をプラスした長方形を2つ書く。高さは、スープジャーの高さに丸底の半径プラス4cmくらい。
4. 型紙を切り抜き、それをまち針で布にはりつけ、切る。
5. 後は縫うだけ。
この大雑把な作り方は、器用な人にはおすすめできない。不器用な私がきちんと、チャコペーパーなどで縫う印を付けたとしても、その通りに縫えるわけないので、ストレスを軽減するために、わざわざ大雑把にしているのだ。
気をつけることは、巾着の紐をつける部分まで縫わないこと。作っていくうちに、ここだけは間違えてはダメというポイントがわかってくるものだ。
今回は、義務教育で習った図形の学習などを思い出ながら、数十年ぶりにコンパスを役立てたのが良かった。出来上がったものは、まぁまぁ……かな。写真を撮ろうかとも思ったが、余り布と余り紐で作ったので、見た目には思い入れがないのでやめておく。
あまりにも実用的で、しかもとてもいい暇つぶしになった。骨壷を持ち歩くイメージが遠のいたのが、何よりも嬉しい。