いつかきっとがもう間近

ありのままの生活と夢の中

「スポンサーリンク」

『望み』の行方

久しぶりに雫井脩介氏の本を手に取りました。

  

『望み』の意味は、結果のわからないことに対して、そうなればいいのにと願う気持ちのことです。

 

この小説は、殺人事件の加害者家族になるか、被害者家族になるか、まだそれが判明していない時に、事件とはなんの関わりもないという唯一の望みを閉ざされた家族たちの話です。

 

母親は息子が生きてさえいてくれれば、加害者でもいい、今後は償いながら懸命に生きていこうと考えました。父親は、息子は殺人を犯すような人間ではないから被害者だと信じており、世間からの理不尽な仕打ちに憤りを抑えきれませんでした。

 

母親は息子が生きていることに望みを託し、父親は息子の名誉に望みを託していました。

 

どちらも究極の選択です。「わたしなら、どう思うだろうか」という自問さえも打ち消したい衝動に駆られたストーリーでした。『望み』は結局、父親の考えの方に軍配があがりましたが、望みが叶うと同時に、息子の死体に向き合うことになりました。

 

望みとは、結果がわかる段階になると、どんな形でも望み通りになるものではなく、裏切られるものではないかと、読後、ぼんやりと思いました。

 

 

プライバシーポリシー 「スポンサーリンク」