今週のお題「理想の老後」
今さら離婚など、できません。どんなに「この人、ちがう。最後に添い遂げるべき人ではない」と、真摯に思ったとしても、今さら離婚などできません。
その理由は、意外と人間的に可愛らしいところがあるのを知っているからです。愛すべき人格、近しい人、気が合うことは100%ないとしても隣人愛というか、なんというか、キッパリと訣別するには惜しい人です。
夢の中ならば、ベターハーフ的な過去の恋人と共に、老後を暮らしたいのです。それが実現できたら、どんなに嬉しいでしょう。どんなに幸せでしょう。そうなると保証されるならば、老後は私にとって、バラ色の人生です。
けれど、今は無理な話です。私の廻りの人が一人でも傷つくなら、それは悪でしかありません。過去の恋人の廻りの人が一人でも悲しむなら、それはあってはならないことです。
なぜならば、傷ついた人に心を寄せる私がいるから、なぜならば、悲しむ人に心を寄せる彼がいるから。良心が少しでも痛めば、誰も幸せになれません。
だからといって、究極的な幸せな老後は、今のままでは不可能です。
だから、少しの嘘と少しの妥協で、すべての人とお友達になりましょう。曖昧にフワフワと笑って、曖昧に過ごしましょう。
そのうちに、誰もいなくなって二人きりになれることを夢見て。もちろん、そんなことはおくびにも出しませんが。これは秘密の話です。