いつかきっとがもう間近

ありのままの生活と夢の中

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秋の夜長

朝夕、肌寒くなってきました。家の老犬の生活サイクルに合わせて、私も奴が寝ている時を見計らって、早めに寝床につくようにしています。奴がゴソゴソし始める時間は真夜中3時頃です。

 

私も一緒に起き上がり、奴の用足しに付き合います。どんなに足が悪くなっても、家で用を足せないので、私が抱えて外に出るしかありません。それから、また奴はベッド替わりの座椅子に戻り、ウトウトし始めます。

 

老いぼれ犬と違って、私はそんなに都合よく眠れません。仕方がないので、真っ暗な部屋の中、テレビをつけて音を絞り、画面を目で追いかけます。そのテレビの映像で、最近、とても楽しいものを観ました。

 

『夢の彼方に 海の楽園』というドキュメンタリー番組で、3時から4時まで放映されていますが、その日は南国の海底の映像でした。音楽と映像だけで構成されていますが、海の生き物が出てくると、その名前を文字で教えてくれます。

 

海の生き物達の個性的な動きに合わせて、音楽が変化します。

 

モヨウフグ』が現れたときは、黒マジックでめちゃくちゃに落書きされたような体を見て、一瞬嫌悪感が湧きました。でも、『モヨウフグ』のコケテッシュな動きに合わせて、音楽がカンツォーネの滑らかな曲調から軽妙で小刻みなリズムに変わり、楽しい気分にさせてくれました。

 

それと同時に、不細工だと思っていた『モヨウフグ』がとても可愛らしいことにも気がつきました。まだ幼魚の『モヨウフグ』は人間で言うと13歳くらいでしょうか、鏡に自分をうつして「わたし、かわいい? それともブス?」と問いかける思春期間近の少女に似ていました。

 

大丈夫、よく見れば可愛いわよ、と声をかけてあげたくなりました。

 

他にも、カトレアかランの花に似ている『南ホタテイカ』は、動き方が牛のようにノッシノッシと海底の砂を蹴散らして歩いていたり、『イレズミウミヘビ』や『チンアナゴ』は後ずさりしながら砂の中に潜り込んでいたりしていました。

 

彼らとは、友達になれそうにありません。さしずめ、『南ホタテイカ』は昔、掃除時間になると、私をサボリの名人だと決めつけた意地悪な上級生に似ています。『イレズミウミヘビ』は他人を寄せ付けない孤高の人に似ているし、『チンアナゴ』は噂好きで、いつも群れをなしています。

 

そんなことを思いながら、秋の夜長も明けていきました。

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