いつかきっとがもう間近

ありのままの生活と夢の中

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遠慮深き関係

家には老犬と夫しかいないので、結構、両者にわたって私はズケズケ、物を言います。手加減も容赦もなく、思ったことをそのままストレートに言葉に出します。

 

臭いものは臭い、汚いものは汚い、嫌なものは嫌と、婉曲的な言い回しも何もせずに、わかりやすく口に出します。それは取り立てて悪いことだとは思っていません。

 

何故ならば、家という内なるところで矯正して外に出れば、体面が保たれるに違いないからです。もちろん、私には老犬は何も言えませんし、夫は思いやりのある我慢強い人なので、もっと意見してもらってもいいのにと、思うほどです。

 

ある日のこと、夕食を二人と一匹で済ませてから、のんびりとテレビを観ていました。その日はクイズ番組が立て続けにある日で、楽しくクイズの答えを言い合って、「当たった!」とか言って喜んでいました。

 

難解な漢字のクイズでした。この漢字の読み仮名は何か?というものです。私は結構、漢字が得意な方なので、どんどん自慢げに解いていきました。文化系ではない夫が解けないのを上から目線で、「え、これも知らないの?」とか言いながら、「こんなの常識よ!」と不遜ながら高笑いをしていました。

 

けれど、ある漢字だけは答えるのを戸惑い、最後まで知らないふりをしてしまいました。その漢字は、『戀』です。

 

いつもはズケズケ物が言えるのに、その答えだけは何故か、口にしたら悪いような気がして言えませんでした。遠慮してしまったのです。何十年たっても、男女の仲の話になると、遠慮深き関係のまま進歩していないことに、新鮮さと絶望を感じました。

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