いつかきっとがもう間近

ありのままの生活と夢の中

お魚くわえたどら猫

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人は「神経質」という言葉を聞いて、どんな人間を想像するのでしょうか。

 

たとえば神経質とは一番縁遠いと思われる人物像は、私の場合は『サザエさん』です。とても現実的で、自分の感情に正直なので喜怒哀楽は激しいけれども、いつまでも嫌なことはクヨクヨしないで吹っ切るイメージを持つ『サザエさん』はとても大らかです。

 

その真逆な人物像が、神経質な人に違いありません。そんなことを考えたのは、今日、自分自身がもしかしたら「神経質」な人間なのかも知れないと、思うようなことがあったからです。

 

老親の付き添いで、いつものように1つ席を空けたシートで診察に呼ばれるのを読書しながら待っていました。大病院の待合室の話です。通い慣れた病院なので何も気負わず、時折呼ばれる診察番号にだけ耳をすまして、読書に没頭していました。

 

とても良い病院ですが、それだけに人気が高く、いつも予約時間通りには順番が回ってきません。けれど、今日持参した本は『このミステリーがすごい!』大賞の受賞作、『元彼の遺言状』で、初っ端からつかみは良好で、グイグイと本の世界に引き込まれていました。

 

そこに、トントトトンと音が聞こえました。老親の靴の音です。

 

トントントン、トトトントン……、大きな音ではありません。小さくリズムを刻む靴の音です。気にならない人には、きっと気にならないのかもしれません。けれど、その一つ隣りに座っている私にとっては、気に障るというか癇に障るというか、少なくとも本の世界には入りこめない音でした。

 

ここで先に書いた「神経質」な人間を考えてしまいました。

 

私は老親に「その靴音を鳴らすのは、やめて」とは言えません。きっと傷けることになるでしょう。もしかすると老親は無意識に音を刻んでいるのかもしれません。それほど長く、同じシートにおとなしく座っているのですから、勝手に足が動いてしまっているのかも知れません。

 

けれどもし、その靴音が前後の診察を待っている人の気に障っていて、腹が立った人が老親に暴言を吐くかもしれません。そうすると、もっと厄介なことになるでしょう。私はどうしたらいいのか……、と考えているうちに、ようやく老親の診察番号が呼ばれ、事なきを得たのかどうかわかりませんが終わりました。

 

ホッとしたというか、なんというか、トホホという感じです。神経質なんでしょうか。『サザエさん』ならどうしていたでしょうか。

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